森脇良典です。日本生まれで、主任建築家兼土木技師です。初めてトルコに来た時、この国の美しさに目を奪われましたが、同時に地震の現実、建物の脆弱さ、そして人々の「より安全な暮らし」への願いも目の当たりにしました。1999年のマルマラ地震の後、「ここに留まり、自分の知識を共有しなければならない」と心に決めました。それ以来、私はブリーフケースを携えてアナトリア各地を旅し、幼稚園児、建設作業員、市長たちに、同じことを伝えています。私たちは地震と共に生きていきますが、正しいルール、正しい建物、そして正しい教育によって、共に生きていくのです。

モリワキ株式会社を設立した時も、私たちは同じ思いに突き動かされていました。私たちは、この会社を単なる商社ではなく、日本の規律と技術力と、トルコの製造業の力と、急速に学習する人材を結びつける架け橋にしたいと考えていました。地震対策、エネルギー・環境ソリューション、食料・農業プロジェクトなど、これらはすべて同じ問いへの答えです。「この国は、どうすればより安全に、より効率的に、そしてより尊厳を持って暮らせるのか？」

トルコは私にとって第二の故郷です。トルコで製造された製品が日本の店頭に並ぶこと、自治体が日本の技術で災害対策を強化すること、建設業者がより強固な住宅を建設すること…これらはすべて私たちにとって単なる仕事ではなく、両国間の永続的な友好関係を育む一環であり、エンジニアの役割です。

いつか他の国々でも同じ言葉を聞けることを願っています。「私たちもトルコ基準の建物を建てたいのです」。その日が来れば、私たちが今日踏み出した小さな一歩が無駄ではなかったと分かるでしょう。

愛と敬意を込めて
森脇良則

シニアアーキテクト - シニア土木技師
創設者/社長
森脇技術産業貿易株式会社